「なぁ、ガイの『いちばん』ってなんだよ」 ルークの唐突な質問なんて何時もの事だ。 だけど。 ::いちばん:: 「なんだ、ルークいきなり。何かあったのか?」 ガイの問いかけに、ルークはぶんぶんと頭を横に振る。 その度にばっさばっさと髪が動いて、邪魔じゃないのかと時々思う。 「ちげーよ。…この前、母上が、俺の『いちばん』は何かって聞いてきて、分かんなかったからよ。 こうなったら、他の奴にも聞いてみようと思ったんだ」 シュザンヌ様…、どうしてそう難しい質問をルークにするんですか…。 そっと心の中で溜め息をついてみる。 一応主に当たる方だが、心の中で溜め息くらい許されるだろう。 「……ちなみに、他には誰に聞いたんだ?」 きっとルークの事だ、他にも聞いてるんだろう。 是非参考にさせてもらいたいもんだ。 「ん?そーだなぁ、ここのメイドとか、ペールとか…あぁ、ナタリアにも聞いたな」 そういえば、一昨日に来てたな、ナタリア様。 「へぇ。じゃあ皆なんて答えたんだ?俺にも教えてくれよ」 非常に興味があるな、難しい質問なだけに。 「んー確か、メイド達の大半が『お金』と『愛』だって豪語してた」 …現実的なこって。 もっとこう、可愛らしい事を望んではいけないだろうか?男として。 あぁ、聞かなきゃよかった。 「ペールは今力を入れて育ててる『盆栽』だって。俺にはよくわかんねぇけど」 ペール爺さんらしいといえばらしいけど。 「んで、ナタリアが、国民と国だってよ」 「ま…まぁ、あの方らしいといえばらしいけどな…」 「俺、全然わっかんねぇー」 そりゃあ聞いた人が極端だったんだ、ルーク。 渇いた笑いしか出ない。 「だからさ!ガイのいちばん、教えてくれよ!」 …こいつは、どうしてこう『子犬が尻尾振って求める』ってな顔をしてくるんだ。 それはこうすれば俺が断る事が出来ないって事を知ってるからだ。 じゃなけりゃ無意識か。 「…でも俺の一番なんか聞いてどうするんだ?結局決めるのはルーク自身だろ?意味無いんじゃないか?」 「いいんだよ!俺は、『ガイのいちばん』が聞きたいんだよっ!!!」 期待してもいいんだろうか? 「そりゃあお前………」 熱い視線を感じる。 ………あの。そんなにじっと見つめられてたら、言えないんですけど。 おかしい。俺、結構言いたいと思ったことはすらりと言えるタイプなんだけどなぁ。 「なんだよっ!!早く言えよなっ!!」 五月蝿いお子ちゃま。 大体お前が悩んでたんじゃないのかよ。 …絶対こいつの頭の中じゃ、そんな事すっかりポンとなくなってるだろうけどな。 だがしかしどうした事か。 ハッキリ言えそうも無いし、かといってルークも引き下がりそうも無い。 あー、何で俺がこんなに悩まなきゃならないんだよ。 「なぁーーっ!!!がぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃ!!!!」 あーもう本当に。 そんなに五月蝿いならこうしてやる。あとで後悔しろ、ルーク。 俺はぎゃぁぎゃぁ騒ぎ立てるルークの頭の後頭部をぐいっと自分の目の前に持ってきて。 そのまま一番五月蝿いところを塞いだ。口で。 何時も以上に近く見えるルークの目が、この一瞬の出来事にビックリして大きく丸くなる。 少しは抵抗するかと思ったけど、抵抗するほど思考が追いつかなかったらしい。 ただされるがままって感じだ。こんなルークは本当に珍しい。 暫くずっとそのままで居たが、流石にもうまずいだろうと踏んだ俺がルークの後頭部から手を離した。 最初は相変わらず、ぼーっとしていたルークだが、やっと我に返って急に焦り出した。 「なっ…なななななななな何したんだっ!?ガイっ!!!」 うーん、予想通りの反応ありがとう。やっぱ可愛いなぁ、こいつ。 「何って、俺が考えてるのにルークが騒がしくするから口塞いだだけだろ」 「だっだからってっ!!!きききききっ!!!」 「キス?」 俺が答えてやるとルークは更に顔を赤くした。 もう俺は苦笑するしかない。 この愛おしい少年が、可愛すぎて。 こんな顔、俺の前でしかして欲しくないと思うのは贅沢だろうか? 「そ…それをやる必要はねぇだろっ!!!」 「ばっかだなぁお前。古来より人の口を止めるにはキスって相場が決まってるだろ?」 まぁ好意を持ってる相手限定だけどな。 しかしそんなことを全く知らないルークは、「えっ?そうなのか…?」と納得しかける。 うん、お前はそれでいいんだ、ルーク。 「ほれ、それにそれで答えが分かったろ?じゃあ俺は仕事があるから行くからな」 これ以上ルークに何か言われる前にとっとと退散する。 絶対今のアイツじゃ分かんないだろうと分かってて言ってる俺は結構酷い奴か? ……まぁ、これからゆっくり教えればいいか。時間はたっぷりあるんだし。 にしてもアイツも大概鈍いよな。 俺の『いちばん』は、ずっと前からおまえだって決まってんだろ? ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 初めてのガイルー(初めてのおつかいみたい…) ガイルーはゲーム発売前から注目っていうか固定してあった珍しいカップリング。 結局ゲーム終了までそれを突き通しました、というか萌え上がりましたっ!! ガイっ!!!どうしてお前はそんなにルークが好きなんだっ!!! ウザイくらいガイルーしててときめきました。 っていうかルークが可愛すぎるというのが問題か。 うちのガイルーってこんなもん。 結局ちゅーまでしか出来ないのー。 ガイ様リードっぽいけど、結局ちゅーとか手繋ぐとかその辺なのー。 青春ストライクど真ん中って感じ。 ガイがルークを好きになったのは、ルークが生まれてすぐがいいよ(つまりはレプリカルーク) これは…物語が始まる1年くらい前の話かな? そのうちヴァン師匠も出したいなっ!! 20060122 |
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